経済成長は本当か? 理系的考察

経済学の論理で、お金が財産を生みだし価値創造によって財産が増えて行くというものたとえがあります。
果たして経済は成長しつづけるか?
理系出身のわたしが理系的考察をしてみました。
AさんがBさんに頼んで1000万円で家をたてたとすると、Bさんは1000万円を手に入れ、Aさんには1000万円の家が残るため価値が倍増するというものです。Bさんが手に入れた1000万円をまた別のものに変えていく、このように経済は成長し続けるというものです。
本当に経済は成長し続けるのでしょうか。私はこの説が大きく間違っていると考えています。
理系的な考察では、三段論法のスタートが間違っていると結果が違っていても納得させられるのと同じです。
私は理系ですので、熱力学第一法則のように閉ざされた系の中ではエンタルピーが保存されるという原則から検証しています。
熱力学第一法則は、ひらたくいると、もし外界から独立した(力や熱などエネルギーが出入りしない)系であれば、総エネルギー量は系の内部で変化しないという物理学の常識です。

それでは、私が「経済は成長しつづける」という仮説のどこが間違っていると考えているのか理系的考察をしていきましょう。

◆疑問点 1
Aさんが最初に持っていた1000万円はどこから手にいれたものでしょう?
●仮定その1
Aさんが手に入れた1000万円は最初価値が無かった。
価値が無いものを握らされたBさんは半ば騙されたとも言えるでしょう。
これは、お札の論議です。お金を輪転機で刷って庶民に国が保証するして発行したりできます。信用で成り立っているものです。このときAさんは根拠の無い1000万円を信用で創り出しています。
そもそも貨幣は最初は物々交換を媒介する手段として価値の代わりに利用されてきたのでしょう。その後、国家が持っている金と交換するとの信用で発行した証券ともいえる兌換紙幣が登場しました。そして、現在では兌換紙幣では無く国家の信用で発行された紙幣が媒介手段として使われています。
仮定その1の場合Aさんの信用で発行された1000万円はAさんが悪いひとでなければAさんに払うことはできるでしょうが、Cさんに通用するかはわかりません。すなわち、物々交換の介在役としてAさんが発行したものです。
●仮定その2
Aさんの1000万円は価値があった。
Aさんが例えば労働の対価としてがんばったから手もとに持っていたのかもしれません。
さて、それではその1000万円はどのようにして生み出されたのでしょうか?
仮定その1の論議のように、どこかで1000万円が発生しる必要があります。そうでなければ1000万円は生み出されません。
つまり、前提条件の段階で系の外から入った1000万円が存在していたと言うことです。
これで疑問点1は矛盾した前提条件だと言えるのではないでしょうか。
次に、現実経済成長が世界的に起こっているように見えることについて検証して見ましょう。
◆疑問点2
現実に経済が成長しているのはどのようなメカニズムでしょうか?
◆仮定1
まやかしの経済成長
先ほどの貨幣に付いての話を思い出して下さい。例えば国家が国債を発行します。この国債を国民が購入し、そして国家はそのお金で物を生み出す。
ここでは、系として考えると本来価値の無い貨幣というものが市場に投入されています。
エンタルピー一定と考えると、全体的価値は変わりません。そこで、貨幣が増えても貨幣の全体価値は変わらないため、貨幣の価値が目減りし、物価があがることで成り立ちます。
◆仮定2
資源による価値流入

何度も言いますが、理系では閉ざされた系ではエンタルピーは不変なのは常識です。

経済成長があるのは系が閉ざされていないと考えているからかもしれません。
実は人間系だけを考えると系は閉ざされていないと考えることができます。
例えば石油や金のような鉱物資源が財産となる場合や、農林水産業のような自然からの恵みです。
それでは地球を一つの系として考えてみれば、人間系の資産が増えても地球系の資源が減ることで、価値は不変です。自分だけが良いのでは無く未来の人類にも配慮をして資源を利用したいですね。
その価値にお金を払うもとはどこから生まれてきているのでしょう。
経済が成長するというのはどういうことでしょう。お金が増え続けるのは系に貨幣の流入があるからです。暮らしは豊かになるかもしれませんが人と人が助け合う社会では物々交換を考えると本来インフレはあるのでしょうか。
結論としては
経済が成長し続けることができるように見えるのは、一つの原因は系に貨幣が流入しています。また、資源から取り出せばお金を生んだようには見えるでしょうが、地球という系の資産は目減りしますよね。地球系で見ると外部から入ってくるのは太陽光か隕石などです。それらを利用していく分は経済成長があるかもしれません。
こういうと太陽光はエネルギーを供給してくれるので素晴らしい資源だと思われたかもしれません。でも、逆にエネルギーが一定で無いと考えると、今まで輻射などで出入りがバランスしていたものを全て吸収してしまうので二酸化炭素以上に地球温暖化に寄与してしまうかもしれません。
「経済は成長しつづけるか」という理系的考察は如何だったでしょうか。へりくつと笑ってください。

スカイマークとA380

スカイマークが破綻しました。

東証一部に事情替えをしてわずか2年たらずでの破綻、上場廃止に向けてです。
東証にも???と言う感じです。

スカイマークは上場企業なので業績は公開されています。
それを見ると、

直前期の2014年3月期の
事業収益(売上)は、859億円
営業利益(本業の収益をあらわす)は、25億円の赤字。

ただ、営業利益は2012年3月期に過去最高の152億円を計上しています。
この事業収益に対する事業総利益率(売上総利益相当)はわりと高いですね。

過去5年間の累計営業利益は317億円、税引き後純利益が185億円です。。

でも一寸待ってください。エアバスA380は1機4億ドル以上
急激な円高を考慮しても1ドル約80円で320億円以上。現在の1ドル約120円では480億円以上です。

参考サイト
http://ainet.bent.jp/aviation/civil_price.html
航空機の価格が詳しくのっています。

737を6機ならわからないでもありませんが、5倍もするA380を6機(1ドル80円で約2000億)発注するのは経営的に疑問を感じます。事業収益の倍以上の買物をするって過ごすぎます。

A380が1機増えるとどの程度の事業収益が見込めるのでしょうか。
400席×10万円×365日で146億円
実際にはこんなに運行できないのでもっと少ないでしょう。

そうなると、営業利益20%でも30億円、飛行機の初期投資の元を取るのに10年以上もかかります。
計算していて思ったのですが、A380で元をとるのは難しいですね。
最近受注できていないのも納得できます。

航空機の価格は5倍以上、定員は3倍です。1度に沢山運べるからと行って1席あたりの燃費が極めて良いわけでもなさそうなので、大型機は辛いですね。